こちらのエントリーでも書きましたが

個人輸入で、欲しかったALDEN(オールデン)のクロムエクセル(Chromexcel)レザーのモデル(95080)を購入しましたので履きおろし、いわゆるプレメンテナンスに関して書いていこうと思います。

と言いましても、以前他の靴の履きおろしでも書きましたが、僕は履きおろし・プレメンテだからと言って何か特別な事をする事はなく、通常のお手入れ・メンテナンスとほぼ同様の作業を行いますので、通常のメンテのご参考にして頂いても良いかと思います。

なお、素人の考察です。このブログの情報によって購読者さまに如何なる不利益が生じましても責任を持てませんので予めご了承ください。

 

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クロムエクセルレザーとは

簡単に言えば、Paraboot(パラブーツ)のリスレザーやRED WING(レッドウィング)のオイルレザーと同じく、革をなめす段階でオイルを染みこませたレザーです。

コードバンはもちろん、普通のカーフレザーよりも雨に強いのが特徴です。
これから梅雨〜ゲリラ豪雨〜台風の季節を迎える日本にピッタリのマテリアルです。

また、新品状態の各ショップの商品写真ですと分かりにくいですが、履きこんで乳化性クリームでメンテをし続けるとしっかりとした輝きを放ちます。
(何かどこのショップの商品写真を見てもクロムエクセルってパサパサしてそうな感じで写っているんですよね…泣)

クロムエクセルとてメンテは特に変わりなく

最初に言ってしまいますと、クロムエクセルだからと言ってコードバンやカーフ、パラブーツのリスレザーと大きく違うメンテは行っていません。

パラブーツのリスレザー同様にオイルレザーなので、比較的メンテナンスも楽と言うか気を遣わなくてすみます。

まずはブラッシング!

革靴のメンテナンスの基本と言えばブラッシングです。

まずは、ホコリや汚れを落とすためにブラッシングをします。
ブラシは馬毛のブラシです。

靴全体はもちろん、コバや紐を通す辺りやベロの部分も丁寧にブラッシングをします。

何度も言いますがクロムエクセルは気を遣ってメンテを行う類の革ではないので、ブラッシングもガシガシ行いましょう!

ちなみに、今回は履きおろしと言う事もありまだ紐を通していませんが、僕は横着なので履きおろしてしまえば紐は着けたままメンテをしちゃいます。

紐を外してメンテをするのは半年に1〜2回でしょうか…(汗)

 

 

 

 

 

汚れ落とし

M.MOWBRAY(エム・モゥブレィ)のステインリムーバーを使って革の汚れを落とします。

使用する布はいらないTシャツとかで充分だと思いますが、革への負担を考えて綿100%の物を使用するようにしています。

カーフレザーや特にコードバンではかなり優しく拭いていますが、クロムエクセルを含むオイルレザーだと僕はゴシゴシ拭きます。

普段は2〜3ヶ月に1度行う程度ですが、履きおろしの際は必ず行うようにしています。

新品の革靴には工場出荷時点で革の保護としてクリームやWAXが塗られています。
工場出荷時点と言う事で、下手をすれば1年以上放置された古いクリームです。

当然古いクリームやWAXは革に悪影響を及ぼすので、履きおろしの時は必ずリムーバーを使って革表面に付いた古いクリームやWAXを取り除きます。

今回も…

ほら、白い布にこれだけ色が付きました。
つまり、古いクリームやWAXが革表面に付着していたと言う事ですね。

なお、ステインリムーバーは液体と薬剤がボトルの中で分離をしていますので、使用前はよく振ってから使用しましょう!

 

 

 

クリームを塗る

続いてクリームを塗ります。
僕はクロムエクセルにはパラブーツのリスレザーと同様にコロニル(Collonil)の1909 シュプリームクリームデラックスを使用しています。

どの革靴でもそうですが、少量のクリームを薄く塗り伸ばすようにします。

クリームを塗る方法は指先で直接塗っても、写真のように布の切れ端を使って塗っても、ペネトレィトブラシを使っても、何でも良いと思います。

僕は通常はペネトレィトブラシを使うのですが、今回は履きおろしと言う事で布の切れ端を使用しました。

と言うのも、僕はこの靴は革本来のエイジングを楽しもうと思い、当分は無色のクリームでメンテをする事にしました。

先程の行程で1度リムーバーで拭いてやった程度では古いクリームが完全に取り除けないので、ここでペネトレィトブラシを使用してしまうとブラシに色移りをしてしまうんですね。

ペネトレィトブラシに色移りすると言う事は、ブラシでクリームを取ろうとすればクリームにも色が移ってしまいます

なので、この色移りがなくなるまではペネトレィトブラシではなく布の切れ端を使用するようにしています。

クリームが入っている瓶から少し多めにクリームを蓋に取って、その蓋に取ったクリームを布の切れ端で少しずつ取って靴に塗り込むと瓶の中のクリームに色移りしません。

メンテをしていくうちに、このクリームを塗り込む布の切れ端に色が移らなくなるので、そうなったら無色用のペネトレィトブラシでクリームを塗り込むようにします。

最初から色付きのクリームでメンテを行うのでしたら色移りの事は考えずに最初からお気に入りの方法でクリームを塗り込みましょう!

 

 

 

 

 

ブラッシング!

今度はクリームを伸ばし、浸透させ、余分なクリームを除くためのブラッシングです。

ここでは豚毛のブラシを使用します。

クリームによって曇った色になっている革が再び輝くまでガシガシとブラッシングをし続けます!

ホコリ取りのブラッシングと同様、細かい部分も丹念にブラッシングをします。

なお、このブラシも上記のペネトレィトブラシと同様に無色のクリームでメンテをしようとすると最初は色移りが発生しますので、可能であれば安いやつでも良いので色移りが終わるまで用の豚毛のブラシを用意しましょう。

もちろん、このブラシも最初から色付きのクリームでメンテを行うのでしたら色移りの事は考えずに最初からお気に入りのブラシを使ってガシガシとブラッシングしましょう!

 

 

 

 

 

クロスで磨き

クリームをブラッシングし終えて靴が輝いたら、さらにその輝きを増すためにクロスで磨きを行います。
僕はR&D(アールアンドディー)のグローブクロスを愛用しています。

上の写真はコードバンの靴をクロスで磨いているところです。
現状では、このクロムエクセルの靴はクロスを使って磨いていません。

と言うのも、先程から再三書いていますが、古いクリームの色移り問題がありクロスにも色移りが発生するため、僕は色移りがなくなるまではクロスによる仕上げは行いません。

ブラッシングで終わりです。それでも充分輝きますのでご安心ください。

あまり家にはないと思いますが、古いネル生地があればそれを使って磨いても良いかと思います。

 

 

 

WAX

今までクロムエクセルにWAXを使用した事はありませんし、今後も使用する予定はありません。

仕上がり

上記の行程を終え仕上がったのがこちらです!
これから育て甲斐のありそうな革をしています!

通常のメンテナンスと履きおろし(プレメンテナス)との違い

上記をお読み頂ければ分かる通り、基本的には同じ作業をしています。

最初から色付きのクリームを使用する際は道具も含めて、プレメンテから通常メンテと同じ作業をすれば良いと思います。

また僕のように無色のクリームを使用する際は、工場出荷時のクリーム・WAXの色移り問題がありますので、それがクリアできるまでは代用品を使用したり作業工程を省いたりする事をオススメします!

ただ(これが正解か不正解かは分かりませんが)通常革靴のお手入れ・メンテナンスは週に1度履くとして1〜1.5ヶ月に1度程度しか行いませんが、僕はどの革靴も靴を履き始めて3〜4回目までは履く度にお手入れ・メンテナンスをするようにしています。

革靴と言うのは自分の足にフィットするように、履き始めは皺が多く入ります。つまりそれだけ革に負担が掛かっていると思って良いでしょう。

通常よりも革に負担が掛かるのであればその都度お手入れ・メンテナンスをしてあげよう!と言うのが僕の考え方です。

最後に

日本ではクロムエクセル人口がまだまだ少ないですので、このブログを読んでくださった皆さんと一緒にクロムエクセルを盛り上げたいですね!(笑)

 

【2018.05.21 更新】誤字脱字、一部文中の接続詞を修正しました

 

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